子宮がんの腫瘍マーカー

子宮がんには、女性ホルモンの乱れや生活習慣、遺伝を原因し、40~50代に多く発症している「子宮体がん」と、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因で、20台に急増している「子宮頸がん」の2つに分けられます。初期には自覚症状がほとんどないため、定期的に検査を受けることが大切ですが、そのふるいわけとして利用されているのが腫瘍マーカーです。

これはがん細胞がつくり出す特異な物質のことで、その一部が血液や尿などの体液中に放出されます。健康な人でもわずかに出ていますが、特定の腫瘍ができると増加するため、がんの進行度や組織型の推測、治療法の効果の判定、がんの再発を発見する目安として用いられています。

子宮体がんではCA125が、子宮頸がんではCEAやSCCと呼ばれる腫瘍マーカーの数値が上昇すると注意が必要です。ただし、子宮内膜症や気管支炎などの疾患や喫煙習慣がある人でも数値は上昇しますので、数値が上昇したからといって、直ちにがんであるとは診断できません。判断は医師にゆだねて、自己判断をしないようにしましょう。

若い年代に増えている子宮頸がん

国内で年間1万5000人の方が罹患し、約3500人の方が亡くなっていると推定されている子宮頸がん。半世紀前までは、60歳代がかかりやすい病気だったため、長らく出産を終えた女性の病気と考えられてきました。

しかし、最近は高齢者の発症数は減少しているのに対し、20~30歳代の若い人の発症が増えています。これは他のがんに見られない子宮頸がんならではの特徴です。

20~30歳代の女性は、これから結婚や出産を迎えることが多い年代です。妊娠して初めて産婦人科の診察を受ける人も多いため、妊婦検診の際に行う子宮頸がんの検査で、この病気が発見されることも少なくありません。

初期には自覚症状がほとんど現われませんので、早期発見には検診が欠かせません。以前は30歳以上が対象でしたが、子宮頸がんが若い人に増えていることから、2004年に対象年齢が20歳以上に引き下げられました。市町村で自治体が費用を助成する集団検診や医療機関での検診のほか、職場で健康診断に組み込まれていることもあります。

しかし、日本では検診を受けている人は2~3割に過ぎず、明らかに少ないのが現状です。欧米では、18歳以上の約8割が受けているのに比べて、日本ではこの病気に対する認識がまだまだ不足しています。